宝塚歌劇団 公演・海外公演
宝塚歌劇団の公演は、基本的に芝居を中心とした「ミュージカル」と、
歌やダンスを中心とした「ショー」の2本立てで行われます。
公演の案内などで、1回の公演に2つのタイトルが並んでいるのは、
ミュージカルとショーの2つの演目が上演されることを表しているわけです。
宝塚大劇場や東京宝塚劇場の公演では、
たいていの場合、全体で約3時間という上演時間が予定されており、
ミュージカルが約1時間30分、休憩が約30分、ショーが約1時間というのが大まかな目安となります。
ミュージカルもショーも、公演ごとに様々な演目が上演されるわけですが、
ショーの最後には必ずフィナーレがあり、
ラインダンス(ロケット)、トップスターコンビなどのショーが催され、
最後にパレードが行われて締めくくられます。
宝塚歌劇では、初日と千穐楽にはパレードの後にトップスターの舞台挨拶がありますが、
一般の公演日においては、このパレードが一般的なカーテンコールの代わりになっています。
そして、トップスターの退団公演であるサヨナラ公演の前楽と千穐楽では、
パレードが終わった後にサヨナラショーが行われ、さらにその千穐楽には退団の挨拶も行われます。
これが宝塚歌劇団の最も一般的な公演のスタイルになるのですが、
ミュージカルの大作が上演される場合は、1作品だけを上演することもあり、
その場合は30分程の休憩を挟み、約2時間30分の公演となります。
しかし、その場合でもフィナーレ&パレードは同じように行われます。
つまり「フィナーレ」と「パレード」は宝塚歌劇団の公演では必ず行われるもので、
劇団ならではの大きな特色の一つと言えそうです。
また、宝塚歌劇団では不定期ながら海外公演も行っています。
初めての海外公演は、1938年にドイツ、イタリア、ポーランドで行った第1回ヨーロッパ公演。
当時はまだ航空網が発達しておらず、現地まで船に乗って1ヶ月かけて渡航したそうです。
その後も歌劇団は数々の海外公演を行っているのですが、その一部をご紹介すると・・・
1965年、パリで上演した第2回ヨーロッパ公演で初めて洋物のショーを上演。
1989年のニューヨーク公演では、収容人数世界最大とも言われ、
トニー賞の授賞式も行われるラジオシティ・ミュージックホールで公演を行い、
花組トップスター大浦みずきを含め過去最多の61名が出演しました。
また1992年、ジョイス・シアターで行ったニューヨーク公演では、
既に退団していた大浦みずきを迎えて「TAKARAZUKA 夢」を上演しています。
そして、それまでショーを上演していた海外公演で、初めて芝居を上演したのが1994年のロンドン公演。
花組トップスター安寿ミラ等46名が、日本で上演した3本立の公演をロンドンでもそのまま上演しました。
また海外公演は、通常トップスターと各組・専科の選抜メンバーで行っていたのですが、
日本での公演と同じような単独の組公演に近づいたのが、
誕生したばかりの宙組と専科だけで上演した1999年の香港公演です。
2009年末現在、最後に行われた海外公演は2005年「ベルサイユのばら」などの韓国公演で、
これまでに合計24回17カ国で歌劇団の公演は行われています。
海外公演は各組の選抜メンバーが揃う貴重な機会ですし、
日本を代表する劇団であり、世界でも珍しい女性だけの劇団なのですから、
これからも世界を股に掛けた活動を期待したいところです。