舞台の上から物を片付けることを「わらう」といいます。
「そこの靴わらっといて」という風に使います。
「そこの靴を舞台上から片付けて」という意味です。
面白い響きだと思いませんか?
さて、なぜ舞台上から物を片付けることを「わらう」と言うのでしょうか。
この言葉、大道具さんの世界から生まれたようです。
元々「わらう」とは、
道具の、ある部分が緩んでいる様子を指した言葉でした。
縛った部分が緩くなってガタガタとしている、
また、釘が緩んで道具が傾いでいる様子を「わらう」と言ったのです。
「膝がわらう」などと同じですね。
わらっている道具は直さねばならないですよね。
「その道具わらっているから片付けろ」という言葉が
後に「わらう」という言葉に略されていったようです。
(同意語「はける」)
これは私見ですが、
建築やお芝居の現場は結構ピリピリとしている場合が多いので
その雰囲気に気を使ってできた言葉ではないでしょうか。
「せっかく用意してもらって申し訳ないけれど、使わないので片付けてくれ」
と言うときの「申し訳ない」という気持ちを
「わらう」という言葉に込めているのでは・・・
「怒らないで笑ってくれ」と。
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