宝塚歌劇団の「試験」
試験というと、学生のものという印象が強いかもしれませんが、
宝塚歌劇団では、宝塚音楽学校を卒業し、
タカラジェンヌになってからも試験が待ち構えています。
音楽学校の延長と考えられている、宝塚歌劇団ならではという感じですね。
試験は、研1、研3、研5(研究科1年・3年・5年)の学年の終わり、
1月〜3月頃に、数日間かけて芝居・歌・洋舞・日舞の試験が実施されます。
どのような試験なのか紹介すると・・・
芝居は、だいたい試験開始一時間前に、台詞が書かれた一枚の紙を渡され
演技の試験が行われるそうです。
課題は学年毎に全員同じもので、台詞を見ながらでも、暗記しても、
また身振りを入れたりするのも、演技の仕方は自由ということです。
歌は、課題曲と新曲の2曲が試験対象で
課題曲は事前に渡された5〜6曲の中から自由に選び、
自己練習・暗譜をして試験に臨みます。
新曲の場合はその場で譜面を渡され、そのまま歌う試験ということです。
洋舞・日舞は、先生が付けた振りをその場で練習し、2〜3名で踊るもの。
日舞は、男役なら男舞いを、娘役なら女舞いを踊るそうです。
試験の結果はというと、
プログラムや「宝塚おとめ」に掲載される名前の順番に反映されます。
実は、入団した時に「宝塚おとめ」に掲載されている順番も、
宝塚音楽学校卒業時の成績順になっているのです。
音楽学校を卒業した後も成績が関係し、
同期の中で3回も順番が変わってしまうことになります。
プログラムや宝塚おとめは、関係者だけではなくファンも見るものなので、
結果次第で辛い反面、やり甲斐もありそうですね。
こうした試験は、演出家などの先生が、その生徒に何が向いているのか、
適性を見極めるという趣旨もあると思いますし、
生徒にとっても、役者はオーディションと切っては切り離せないものですので、
良い練習になるという、2つの意味があるのではないでしょうか。