「転換」(てんかん)
「転換稽古」(てんかんげいこ)
物事の方向や方針が変わることを転換と言いますよね。
演劇の世界では、場面を変えることを「場面転換」、
舞台(セット)を変えることを「舞台転換」と言い、略して「転換」と呼びます。
転換は、下手をすると物語の進行を妨げかねませんので、
素早く、手際よく行うことがとても重要です。
また、転換のせいでお客様の集中力を欠かさせないよう、
照明や音響を利用するなど、演出面でも様々な工夫が凝らされています。
転換の時間も公演中なので、スピードや見せ方が大切にされているのです。
そのため本番前には、芝居の稽古と同じように、
「転換稽古」と呼ばれる転換のための稽古も行います。
転換稽古では、スムーズにトラブルなく転換するために、
裏方さんが練習するのが主ですが、
役者がはける動きと合わせたり、前後のシーンとうまくつなげるために、
役者が参加して実際に芝居をしながら行うこともあります。
また転換は暗転中に行われることが多いため、
人や物の位置をバミり、手順などもあらかじめ把握しておくことが重要になります。