「すっぽん」(スッポン)
花道の七三の位置にある、小規模なせり(切り穴)を「すっぽん」と言います。
「七三」とは揚幕(楽屋の出入り口にかかる幕)から七分、
本舞台から三分の位置のことです。
このセリ(切り穴)には昇降装置がついており、
奈落(舞台下)から舞台上へ、役者が登場するときに使われます。
「セリ」「すっぽん」共に舞台へ昇降する舞台装置ですが、
「セリ」は本舞台上にあるもの、「すっぽん」は花道にあるものを指します。
すっぽんは役者が出入りするために花道に設けられたものですから、
セットを昇降させることもあるセリとは違い、
人1人が乗れる程の小さなサイズで、長方形の形をしていることがほとんどです。
また、歌舞伎においては、
すっぽんを使って登場するのは人間以外である、という約束事があり、
妖怪変化や幽霊・忍術使いなどの役が登場する時に使われます。
逆に言うと、例え普通の人に見えても、すっぽんから登場したものは、
既に亡くなっているなど、人間ではないということがわかるわけです。
そして、「すっぽん」の名前の語源は亀のスッポンから。
おそらく、穴から役者が首を出す瞬間が
すっぽんに似ていることから連想したのでしょうね。