「シュプレヒコール」(Sprechchor)
政治的な集会やデモ行進などで、
参加者が声を揃えてスローガンなどを叫んだりすることを「シュプレヒコール」と言います。
演劇の場合のシュプレヒコールも、ある台詞を何人かで朗読することを指して用います。
一定のリズムや抑揚の元、主にメッセージやスローガンなどを一斉に叫ぶという意味で使われますので、
ニュアンス的には政治活動の場で叫ばれるそれとほとんど同じです。
この「シュプレヒコール」の語源はドイツ語の「Sprechchor」。
ドイツ革命を率いた共産主義者カール・リープクネヒトが最初に使ったと言われており、
それが後に演劇の一形式になっていったものと伝えられています。
ですから、主に左翼主義の演劇において使われることが多く、
そうした傾向の演劇が廃れてきた日本では、見かけることも少なくなったのが現状と言えそうです。
演劇の形態としては、劇全体をシュプレヒコールで構成するような実験的な作品もありますが、
芝居の中に取り入れて用いることがほとんどです。
特に「役者も観客と共に同じレベルで学ぶもの」という
ベルトルト・ブレヒト(Bertolt Brecht)の教育劇が最も有名なのではないでしょうか。