「操作盤」(そうさばん)
「舞台機構操作盤」(ぶたいきこうそうさばん)
劇場の舞台の天井には、
緞帳をはじめとする幕やバトン、照明など様々な物が吊られています。
これらを電動で昇降させる場合、
操作をするスイッチが一箇所に集められており、その機械を「操作盤」と呼びます。
昔は当然手動だった盆(回転舞台)や迫り、オーケストラピットなどの昇降も
近年は電動になっている劇場がほとんどで、
「操作盤」では、吊り物だけではなく、こうした舞台機構全般の操作を行っています。
ですから、「舞台機構操作盤」「舞台操作盤」とも呼ばれますし、
「制御盤」と言われることもあります。
操作盤は、主に舞台袖の客席側という、
舞台がよく見渡せる場所に設置されています。
非常に重い物が吊られていることの多いバトンの操作は、
一つ間違えると大事故につながってしまいますので、
操作を担当する人が目視で確認できるように作られているわけです。
しかし、舞台のセットによっては見通しが悪くなってしまう場合も出てきます。
そんなときは、インカムや監視カメラ、モニターなどを使用して確認したり、
劇場によっては、操作盤にリモコンが付いていて、
スタッフが現場で安全を確認しながら操作できるところもあります。
手動でのバトンの昇降は「綱元」と呼ばれる場所で行いますが、
非常に責任の重い仕事ですので、
ベテランのスタッフが担当する場合がほとんどです。
操作盤を使い、電動で操作する場合も危険が伴うことは同じですので、
劇場などが専門のスタッフを置き、
他の人は操作をしてはいけないというケースも多くなっています。
このように、舞台の裏には、
何百kgというバトンを慎重に操作しながら舞台演出にも関わるという、
重責を担う仕事があるのです。
想像しただけでも胃が痛くなりそうですね。