「袖幕」(そでまく)
「袖幕」とは、文字通り舞台の「袖(そで)」に吊ってある「幕」で、
主に舞台の袖中(裏側)を隠す目的で用います。
大きい舞台や劇場では袖幕が何本もあることもあり、
その場合、舞台前からそれぞれ「1袖」「2袖」「3袖」と呼びます。
一般的な使い方は、
下記の図のように、舞台奥に行くほど舞台中に向かって長くして、
客席から袖中が見えないようにします。
━━━━━━(舞台奥)━━━━━
(袖幕)━━━ ━━━(袖幕)
(袖幕)━━ ━━(袖幕)
(袖幕)━ ━(袖幕)
━━━━━━(客席側)━━━━━
特にかぶりつき(客席前方)の上下(かみしも)のお客様からは、
対角線上の袖中が見えやすくなっていますので、
袖幕の調整は、裏方さんの重要な仕事となるわけです。
袖中は、舞台に明かりが漏れないように、かなり暗くなっています。
明るいシーンから袖中へ退出するときなど、
目つぶしのような感じで、全く回りが見えなくなることがあります。
別欄でご紹介しいている「暗転」時同様、慣れないと危険な場合もありますので、
これから舞台に立つ方は気をつけてくださいね。