「所作」(しょさ)
「所作台」(しょさだい)
「所作」とは、演技における動作・仕草のことです。
身振りや振る舞いのことを指して、一般にも使われていますね。
また、歌舞伎の世界では、「所作事」を略して「所作」と言います。
「所作事」とは、歌舞伎における舞踏劇のことで、
歌舞伎が長唄に乗せた型として演じられるうちに、
「舞踊劇」のことを「所作事」と呼ぶようになったと言われています。
また、舞踏そのもののことも「所作」と言いますし、
浄瑠璃による所作事の場合は「浄瑠璃所作事」と言います。
ちなみに、歌舞伎や能などの舞踊では、
足拍子の響きが良く、足元が動きやすいように、
「所作台」(所作舞台・置舞台・敷舞台)という台を舞台の上に敷いています。
この所作台は檜(ヒノキ)の板で作られた台で、
釘を打つのはもちろん御法度。
土足(雪駄・作業靴など)で上がるのも禁止で、
作業のときも足袋を履いて行うなど、大切に扱われます。
所作台は、あくまで所作(舞踏)の為のもので、
単に舞台を高くしたい時などは、また別の物(二重舞台など)を用います。
普段の観劇ではあまり目に入らない部分かもしれませんが、
こうした足元の台1つ取っても、それぞれ用途に合わせた物があり、
正に足元から舞台を支えているわけですね。