「シュート」(shoot)
「照明合わせ」(しょうめいあわせ)
演劇の公演などを行うときには、
本番前に劇場の空間演出照明を決める作業があります。
演出家(プロデューサー)と照明責任者、またプランナーの指示の元、
焦点や明るさを決めていくわけですが、
この作業のことを「シュート」、
または日本語で「照明合わせ」と言います。
この「シュート」や「照明合わせ」は、
ある程度プランも出来ている中での細かい微調整ですので、
「チェック(check)」や「アジャスト(adjust)」などの言葉が適当にも思えますが、
「焦点を決める」「撮る」という観点から、
「シュート(shoot)」と呼ばれるようになり、現在に至っているようです。
ところで、この「シュート」や「照明合わせ」は想像する以上に大変なものです。
演出家のイメージと具体的な劇場の設備条件が、机上の計算では出来上がっていても、
いざ現場で見てみると思い通りにならない場合が多々あり、
かなり時間がかかることが多いのです。
俳優陣も「立ち位置」などの関係で当然参加が必要ですので、
本番前のこの作業はけっこうな労力が伴います。
特に小劇場などでは、
本番の2日前に劇場に入り、道具を持ち込み、セットを組み立て・・・
などと時間に余裕がないケースが多く、シュートを行うのは本番前日ということも多々。
照明が変わればそれに合わせてメークも微調整しなければなりませんし、
衣裳が変更になるケースも・・・
このような事情から、本番前の舞台裏は戦場のような場合が多いのです。