「素人」(しろうと)
経験が浅く、未熟なことを表す「素人」。
「あの人は演技に関しては素人だから・・・」といった感じで使われますね。
反対語は玄人、英語で言うとアマチュア(amateur)でしょうか。
この「素人」という言葉も、芸の世界から生まれたものです。
現在は「素人」と書いて「しろうと」と読みますが、
元々は「白人」と書いて「しろひと」と読む言葉でした。
「白」は白粉(おしろい)のことで、
白粉を塗った芸人が、何の芸もなくつまらないことを、
ただの「白い人」という意味で「白人」と言ったことから生まれました。
ちなみに、江戸時代の京都や大阪では、
公認されていない遊女(私娼)のことも「白人」と言ったそうです。
もしかすると、この辺りの意味合いも絡み、
侮蔑した意味合いで「白人」という言葉が生まれたのかもしれませんね。
この「しろひと」が時代を経るにつれ、
「しらうと」そして「しろうと」へと変化していき、
漢字も「白い人」から「素(す)の人」へと変わっていきました。
ですから「素人」は「白人」から転じて生まれた言葉で、
今でも国語辞典をひくと「白人(はくじん)」の項目にも、
「物事に未熟な人」といった意味合いも掲載されています。