「音響効果」(おんきょうこうか)
「SE」
広義での音響効果とは、舞台演劇や映画、テレビ番組などの芝居や作品で
演出の一環として使われる効果音や音楽などの音のことを意味します。
音響効果は英語で「サウンド・エフェクト」(sound effects)。
日本でも「S.E.」という表現は一般的ですね。
舞台演劇では、照明などと共に舞台効果の1つであるとも捉えられ、
「舞台音響」と言われることも多くなっています。
また、テレビや映画などの映像業界では「音効」と略され、
音響効果のスタッフは「音効さん」と呼ばれたりもします。
効果音というと、近現代の電気的なものを想像しがちではありますが、
歌舞伎における下座音楽も効果音楽の一つであり、
日本の舞台においては古くから効果音が使われていたことがわかります。
海外では1600年頃、モンテヴェルディのオペラで効果音が使われたのが
初めて作曲家が効果音を指示したものと言われていますし、
イプセンやチェーホフの戯曲には音に関するト書きがありますので、
1800年代には演劇においても当たり前に効果音が使われていたようです。
また「音響効果」は、劇場やホールなどにおける音の響き方や特性など、
音響設計に関する意味でも用いられます。
効果音やBGMはもちろん、俳優の声や舞台上で発せられる音など、
あらゆる音を観客が聴きやすいように劇場は設計されています。
上演する側は、劇場の造りや音の特性などを理解し、
観客に伝わりやすいよう演出し、実現する努力をしているわけです。
ですから、演劇などのライブである舞台においては、
演出の観点から音をプランニングし、劇場に合わせるなど音をデザインし、
本番では機器を操作したりする必要があります。
ですから、同じS.E.に関わる仕事であっても
舞台音響のスタッフが「音効さん」と呼ばれることはあまりなく、
「音響さん」や「PA」と呼ばれることが多いのではないでしょうか。