桟敷

「桟敷」(さじき)

桟敷とは、一般の席より高く作られた板敷きの客席のことを指します。
主に歌舞伎の劇場に設置されている他、
お祭りなどに仮設で作られた(主にかぶりつきの)席や、
大相撲の桟敷席(ます席)などがあります。

桟敷は四角く区切られたスペース(ます席)ということが多く、
4〜8人がお弁当などを広げ、くつろぎながら観られるということで、
興行時間の長い歌舞伎や相撲の世界では昔から人気のある客席です。
値段は一般席よりも少し高めですので、少々手が出しづらい感じがしますが、
お茶などを運んでもらえるサービスがあることが多く、一度味わうと病みつきに・・・

「桟敷」という言葉は、神を呼ぶために作られた高台「仮床(さずき)」が訛ったのが語源と言われています。
これがお祭りや演劇を観るための値段・場所共に高い席を指すようになり、現在に至っているようです。

歌舞伎の劇場では、江戸の頃には平土間左右に2階造りの桟敷があり、
花道の役者の背景、舞台セットのような役割も果たしていました。
多くの劇場で椅子席が一般的になった現在も桟敷席は残されていますが、
例えば歌舞伎座では、2人席の掘りごたつ式が桟敷席となっており、
古来の桟敷とは少々趣が変わってしまっています。

また、古くからの小さな劇場では、客席数を増やすために、
床面と天井が近く、立ち見が出来ないようなロフトのような客席が作られ、
その席を「天井桟敷」と呼びます。
場所が場所ですので、桟敷と反対に天井桟敷は安価な席のことがほとんどです。

ちなみに故・寺山修司が主宰した「演劇実験室 天井桟敷」の名称は、
1945年に創られたマルセル・カルネ監督のフランス映画
天井桟敷の人々」から着想を得たと言われています。

「桟敷」奥付

  • Posted : 2008年8月 7日 17:10
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