「オープン・ステージ」(open stage)
「オープン・ステージ」とは、劇場の様式(スタイル)を指す言葉です。
基本的に、舞台と客席とが一つの同じ空間の中に共存する形、
つまり客席と舞台の仕切りがまったくない、オープンスペースの劇場を意味します。
細かく考えると、サッカーの競技場のように、回りに客席があり中央に舞台があるスタイルの
「コロシアム」などと区別することもできますが、
プロセニアム・アーチ(額縁)で舞台と客席とを明確に区分する「プロセニアム・ステージ」と共に、
舞台様式を大別したときの1つであると考えられています。
オープン・ステージでは、高さのある舞台は存在しませんので、
後ろに行くほど客席が高くなる、円形(または半円形)の劇場が多くなっています。
イメージとしては、相撲の土俵を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。
また、オープン・ステージにはお客様と役者を区切る、
きちんとした舞台や額縁、幕などがないことがほとんどなので、
観客としては非常に臨場感のある舞台を味わえる形の劇場と言えます。
しかし一方、役者側からすると、
客席からの死角が少ない分、非常に集中力が求められることになります。
日本では、東京の青山円形劇場が国内初のオープン・ステージの劇場です。
最近は世界的にもあまり見かけない形の劇場ですので、
機会があれば、是非足を運んでみてください。
演劇を数多く観た方でも、ちょっと驚く劇場だと思いますよ。