「お蔵」(おくら)
せっかく立てた企画や催し物が途中で中止になることを、
「お蔵になる」と言いますよね。
これは芝居の世界で、
お客様が入らず予定より早めに公演打ち切りとなることをこう呼んだのが語源です。
予定していた芝居の最終日である千穐楽を迎えることが出来ず、
皮肉にも関係者が「楽になる」ことを「お楽になる」と言い、
それをさらに芸能界の得意技「逆さ言葉」を用いて「おくらになる」と言いました。
そして「くら」を「蔵」と文字り、
現在の「お蔵になる」となったのです。
この「お蔵」という言葉は、「お蔵入り」という使い方が有名で、
日の目を見ずに「蔵」(倉庫)にしまわれることと思われがちですが、
「お蔵になる」「お蔵にする」「お蔵入り」と、
「お蔵」につける語尾が違う表現方法に過ぎず、
上記のような語源であるという説が有力になっています。