「中割幕」(なかわりまく)
「中割幕」は、文字通り舞台の中程に位置する幕のことです。
ひだがある、一般的なカーテンのような形の幕であることが多く、
左右に開く引き割り幕が多いですが、上下に昇降する幕も使われています。
この「中割幕」は、
劇場に数多くある幕の中で、最も幅広い使われ方をする幕ではないでしょうか。
例えば、舞台の奥行きを調整したり、舞台を前後で仕切るために用いる他、
舞台裏を隠す「大黒幕」として使われたり、
照明や道具を隠す「文字幕」として使われたりもします。
また、袖幕と中割幕が同一、つまり兼用である劇場も多くなっています。
大きな(奥行のある)劇場では、
中割幕が複数枚設置されている場合もあり、
それぞれ「一割」(いちわり)「二割」(にわり)「三割」(さんわり)と呼ばれます。
これらは、どれも同じ長さの同じ幕であっても、
一割は袖幕、二割は文字幕、三割は大黒幕というように、
別々の用途に使われることもあります。
このように中割幕は、演出次第で様々な用いられ方をする、とても利用範囲の広い幕なのです。