「中日」(なかび)
演劇に限らず公演や興行の真ん中の日、
例えば20公演行われる場合、10公演が終わる日を「中日」と言います。
この場合の「中日」は、「なかび」と発音するのが一般的ですが、
「ちゅうにち」でも国語的に誤りではありません。
一般に中日と言うと、大相撲の八日目を思い出す方が多いでしょうか。
近年の演劇は短期間の公演も多く、
そうした場合、中日の感覚も薄れているかもしれませんが、
古来より、中日は初日・楽日と共に興行の中で大切な日と捉えられています。
そのため、中日にはいくつかの風習があります。
例えば、終演後に関係者が集まって行う一本締め。
公演の折り返し地点ということで、前半の無事を感謝し、
後半に向けてより一層の盛況を祈っての手締めというわけです。
また現在では、出演者が裏方さんへ挨拶回りをするなど、
改めて挨拶をしあう程度になっていることも多いかと思いますが、
出演者が裏方さんへお祝いを出す「中日祝儀」(なかびしゅうぎ)という風習もあります。
他にも、食事会が催されたり、手みやげを渡したりするなど、
主に主催者側で企画してお祝いをする習慣があるところも多いようです。
どんなことがあろうと、期間中は幕を開け続けなければならない興行の世界。
様々な人に感謝しながら、
「初日」→「中日」→「楽日」と進んでいくのですね。