長生きも芸のうち

「長生きも芸のうち」

「長生きも芸のうち」とは、言わずと知れた字面通りのことわざです。
長く生きる(続ける)ことも芸(才能)の一つ。
一生懸命に精進を続けていくことの難しさをも含んだ言葉ですよね。

この言葉は、歌人・脚本家として活躍した吉井勇が、
八代目桂文楽に贈ったものとしても有名です。
これは、1954年に桂文楽が「素人鰻」で芸術祭賞を受賞したときのことで、
贈ったのは「長生きも 芸のうちぞと 落語家の 文楽に言ひしは いつの春にや」という短歌でした。
ちなみに吉井勇は74歳、桂文楽は79歳まで長生きしています。

固定収入のないことが多い演劇や芸能の世界において、
芸に精進しつつ、生活や健康を保ち、長く続けるのは最も難しいことです。
時には芸のために不健康なこともしなければなりませんし、
不規則な生活の多い俳優や芸人は、
文字通り長生きすることも、
また芸能人として長生きすることも、とても大変なことなのですね。

「長生きも芸のうち」奥付

  • Posted : 2009年4月16日 01:46
  • Prev : « なあなあ
  • Next : 中割幕 »
  • Category : 慣用句 | 舞台・演劇用語 | シアターリーグ