なあなあ

「なあなあ」

ここでは、呼びかける「なあなあ」ではなく、
馴れ合ってしまい、緊張感のない様子を指す「なあなあ」をご紹介します。
「最近の仕事、なあなあになってないか?」という感じで使いますよね。
この「なあなあ」は、国語的には感動詞の「なあ」を重ねたもので、
歌舞伎の世界から生まれた言葉です。

歌舞伎における掛け合いの場面で、
内緒話のように耳元に口を寄せて話すとき、
一方が「・・・なあ」と呼びかけると、もう一方も「なあ」と言って応じ、
意思疎通を図っているように見せるのが芝居の決まりでした。
しかし、これは芝居ですから、耳元で話している振りをしているだけで、
実際に会話を交わしているわけではありません。
この様子を観客は「約束事だからといって俳優なのにちゃんと芝居をしていない」と捉え、
そして、その時の決まり文句である「なあなあ」が、
馴れ合った者同士が適当に物事を処理するという意味合いで
一般的に用いられるようになったのです。

「なあなあ」奥付

  • Posted : 2009年4月14日 02:04
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