モノローグ・ダイアローグ

「モノローグ」(monologue)
「ダイアローグ」(dialogue)

「モノローグ」とは、演劇などにおいて登場人物が一人で喋る台詞のことです。
演劇におけるモノローグは、登場人物が考えや心情を語るものであったり、
スピーチ・演説のようなものであったり、
観客に何かを語りかけたりするものであったりします。
例えば、シェイクスピア「ハムレット」の有名な台詞
「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」などがモノローグです。
このモノローグが拡大すると「モノドラマ」となり、
広い意味では狂言回しのナレーション的な台詞もモノローグと捉えることもあります。

「モノローグ」という言葉は、英語の「monologue」をそのまま使用しているもので、日本語に訳すと「独白」。
そして、対義語にあたる「会話」や「対話」を英語で言うと「ダイアローグ」(dialogue)となります。
モノローグやダイアローグの語源も、他の多くの演劇用語と同様にギリシャ語で、
モノローグは「一人で話す」といった意味を持つ言葉です。

なお演劇的に細かく分類すると、思想や感情を独白することは「soliloquy」と言います。
こちらはラテン語が語源の英語で、読みとしては「ソリロキー」といった感じでしょうか。
英和辞書をひくと、こちらも「独白」となっていますし、厳密な言葉の定義は難しいのですが、
soliloquyは、聞き手を持たず思想や感情が溢れだしてしまうような形の台詞、
自問自答しているような台詞のことを意味します。
ですから、先述のハムレットの台詞もmonologueよりはsoliloquyと言った方が適切かもしれません。

また、舞台上に登場人物が複数存在する中、
観客に向かって独りで喋る台詞のことは「傍白」(ぼうはく)と言います。
傍白は、他の登場人物には聞こえていないというお約束の元、
観客に心情を伝えたり、他人のバックボーンを説明したりします。
この「傍白」は英語で言うと「aside」。
「アサイド」といった発音になりますが、こちらはあまり日本語化されていない印象です。

「モノローグ・ダイアローグ」奥付

  • Posted : 2010年9月19日 16:50
  • Prev : « 宝塚歌劇団の組長
  • Next : シュール »
  • Category : 台詞/発声 | 舞台・演劇用語 | シアターリーグ