「モノドラマ」(monodrama)
「モノドラマ」とは、英語の「モノ(mono)」「ドラマ(drama)」、
つまり一人の俳優が演じる芝居、簡単に言うと一人芝居のことです。
しかし、単に一人で行う芝居のことは日本語で「一人芝居」と言いますし、
英語でも「ソロ(solo)」を用いて「ソロ・ショー(solo show)」と言ったり、
「ワンマンショー(one man show)」などと表現する方が一般的かと思われます。
ですから、敢えて「モノドラマ」と言う場合には、
一人の人物の心理的変化を描き出すような作品を意味することが多いのではないでしょうか。
具体的には、合唱隊や効果音などの音楽を使い、
俳優は詩や小説を朗読したり、パントマイムなどを使って表現し、
登場人物の内的体験を演劇空間に現すことで、
観客にそれを自らの体験であるかのように感じさせることを目指す作品です。
ですから日本語に置き換えるのであれば「一人芝居」などよりも「独白劇」とした方が適切かもしれません。
ちなみに、こうした独白のような台詞のことは「モノローグ」と言います。
モノドラマは、18世紀にヨーロッパで興った演劇形態で、
ルソーのオペラ「ピグマリオン(Pygmalion)」が最初の作品と言われています。
演劇的なモノドラマの作品では、コクトー「声」、チェーホフ「煙草の害について」、ベケットなどが有名です。