「マチネ」(matinee)
「ソワレ」(soiree)
舞台興行の中でも、特にミュージカルの公演でよく使われる「マチネ」「ソワレ」。
語源はフランス語で、
「マチネ」(matinee)は朝・午前のこと、
「ソワレ」(soiree)は夕方・陽が暮れた後の時間を指す言葉です。
この言葉が劇場で使われるようになり、
昼公演をマチネ、夜公演をソワレと呼んでいます。
さて、このマチネ・ソワレですが、
客層も反応も違うところが、関係者としては面白いところです。
マチネは昼間(ほとんどが午後)に公演をするわけですから、
時間の自由が利く主婦や定年を迎えた層が客席の大半を占め、
ソワレは、仕事が終わってから訪れるお客様が多いようです。
では、マチネとソワレ、どちらのお客様の反応が大きいと思いますか?
答えはマチネ、そう昼公演です。
芝居の内容や出来がマチネとソワレと同じ場合でも、
笑い声や驚嘆の響きは、マチネがソワレに勝ることが多いと言われています。
これは、朝起きて夜寝る生活の人がほとんどの世の中、
娯楽産業は夜に繁盛するわけですが、
演劇やミュージカルなどの鑑賞する娯楽は、
観る側の精神状態や体調が大きく影響する為かと思います。
「疲れている日に借りてきた人気の映画がつまらなかった」
なんて経験はありませんか?
「芸術は与える物ではなく、相手の想像力を掻き立てるものだ」という言葉もありますが、
心にも時間にもゆとりがあるときに、ゆっくりと観劇することが
舞台を楽しむ一番のポイントかもしれませんね。