「ラインダンス」(Line dance)
「ロケット」(Rocket)
「ラインダンス」とは、レビューなどで舞台に横一列に並び、
いっせいに足をあげたり、全員で同じステップを踏んで踊るダンスのことです。
宝塚歌劇では、通称「ロケット」と言います。
この日本で言うところの「ラインダンス」(line dance)という言葉は和製英語で、
英語では「precision dance」(プレシジョン・ダンス)と言います。
「precision」は、正確・精密という意味ですので、直訳すると「正確なダンス」という感じでしょうか。
宝塚における通称の「ロケット」は、1925年アメリカ・セントルイスで設立され、
ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホール(Radio City Music Hall)を拠点とする
ダンス・カンパニー「ミズーリ・ロケッツ」(Missouri Rockets)が由来です。
カンパニーは後に「The Rockettes(ザ・ロケッツ)」に改名、そして有名なダンスが「precision dance」だったことから、
「precision dance」のことを「Rocket(ロケット)」と呼ぶようになりました。
一方、英語の「line dance」は、一列に並んで同じようなステップで踊るダンスのことを広く意味します。
フォークやカントリー、ウエスタンなどのダンスが有名ですが、
「line dance」という言葉は、文字通り並んで踊る場合に広く用いられるため、
世界中で様々な文化のline danceが存在します。
ちなみに、宝塚歌劇で初めてラインダンスを行ったのは、日本初のレビューと言われる1927年の「モン・パリ」。
現在でも宝塚歌劇の公演のフィナーレでは必ずラインダンスが行われており、
レオタードのような足の全体が見える衣装に身を包んでダンスをしています。
ラインダンスは、通常は下級生が担当するのですが、
毎年春の宝塚大劇場公演では初舞台生だけのラインダンスもお目見えします。
全員の呼吸を合わせ、足を上げる高さなどの振付をいかに揃えられるかが
ポイントになっていますので、日々の稽古が大切になってきそうですね。