「レーゼドラマ」(Lesedrama)
「「クローゼット・ドラマ」(Closet drama)
レーゼドラマとは、戯曲の種類の1つで、読まれるための戯曲を意味します。
つまり、上演されるためではなく、読まれることを目的とした戯曲のことで、
初めから劇化されることを考えず、文学の一ジャンルとして書かれたものと、
演劇性が希薄すぎるために上演に適さないものの2つがあります。
この「レーゼドラマ」という言葉は、ドイツ語の「Lesedrama」。
英語では「クローゼット・ドラマ(Closet drama)」と言いますが、
日本ではドイツ語の表現の方が普及しているのではないでしょうか。
対義語となる、一般的な上演に適した戯曲のことは
やはりドイツ語で「ビューネンドラマ(Bhnendrama)」と言います。
なおビューネンドラマとは、あくまで上演に適した文学「戯曲」のことで、
上演用の脚本や台本のことを意味する言葉ではありませんのでご注意を。
レーゼドラマは、18世紀にヨーロッパで流行したもので、
ゲーテ「ファウスト」(二部まで)や、
ミュッセ「戯れに恋はすまじ」などが、代表的な作品として知られています。
また、イギリスの作家のためクローゼット・ドラマと呼ばれることも多いですが、
バイロン「マンフレッド」、シェリー「鎖を解かれたプロメテウス」なども有名です。