「客電」(きゃくでん)
客電とは、劇場などにおける客席の照明のことです。
多くの場合、客電が落ちる(消える)と公演が始まる合図で、
客電が入る(灯る)のが終演の合図になっていますね。
開演の時は、まず1ベルが鳴ると共に客電が少し落とされ、
2ベルで客電が完全に落とされて真っ暗闇に。
そして幕が開ける・・・というパターンが多いのではないでしょうか。
逆に終演のときは、公演の終了後、挨拶やカーテンコールなどが行われ、
もしアンコールが繰り返されていたとしても、
客電が灯いてしまったら完全にお終いというケースがほとんどですね。
ですから、客電が灯ると我先にと出口へと急ぐお客様もいらっしゃるのですが、
ミュージカルでは客電が灯いた後にもオーケストラの演奏が続いている場合が多いですし、
その後に挨拶が行われるケースもありますのでご注意を。
映画で、スタッフロールが終わるまでは席を立たないように・・・というのと同じですね。
客電は、多くの劇場でオン・オフのスイッチ以外に、
光量と速度を調節する調光機(ダイヤルのようなもの)があります。
つまり、舞台上と同じように客電もフェードイン・フェードアウト、
カットイン・カットアウトなどが計算されて用いられており、
客席の照明も演出の一部に含まれているわけです。
演劇などのライブでは、劇場に入った時から公演が始まっていると言われるのは、
こうした照明も大きな効果や役割を果たしているのです。