「香盤」(こうばん)
「香盤表」(こうばんひょう)
演劇の公演などにおいて進行表のことを、
「香盤表」、もしくは単に「香盤」といいます。
「香盤」には、出演する俳優全員の役名や、
出ハケ(登場・退場する場面)の一覧などが書いてあり、
どのシーンでどの俳優や道具が登場するのか、
といったことが一目でわかるようになっています。
この「香盤」は、仏教の世界からきた言葉です。
香盤とは、お線香を立てる台のことで、
四角い升目の中にお線香を立てる穴が開いています。
演劇の香盤表も升目になっていて、
それぞれ出番のシーンに丸が書いてあります。
つまり、升目の中に丸がある様子が似ていたことから
「香盤」と呼ばれるようになったのでしょうね。
また、劇場にある客席の見取り図のことも、同じく「香盤」と呼びます。
この呼称も、歌舞伎小屋の升席を上から見て、
升の中にお客様の頭が並んでいる様子が
香盤に似ていたというところからきているようです。