「柿落とし」(こけらおとし)
「こけら落とし」とは、
新築、または改築した劇場での一番最初の興行のことを意味します。
「こけら落とし公演」という言い方が頻繁に使われていますよね。
「こけら」というのは、材木を削るときに出る細片(削り屑)のことで、
建築工事では、最後に屋根に残った削り屑を払い落としてきれいにするため、
「こけら落とし」というのが、
新しい劇場の初公演を意味する言葉になりました。
最近では、転じて劇場以外の施設でも使われる言葉になっているようですね。
また一説では、出雲の阿国がはじめた歌舞伎の言葉で、
「書き通す」という意味が語源とも言われています。
ちなみに「こけら」を漢字で表記する場合「木屑」などとも書きますが、
「こけら落とし」の場合は「柿」を用います。
定かではありませんが、演劇界では縁起を担ぐ言葉が非常に多いですし、
「屑」が縁起の悪い言葉だと捉え、
「柿」を使うようになったのかもしれませんね。
なお、近年「こけら」に「柿」(カキ)という漢字が使われていますが、
本来「カキ」と「コケラ」は別の字です。
「コケラ」の正確な漢字は下記になります。