際物

「際物」(きわもの)

実際にあった事件や、一時的に流行した事や物などを、
題材として素早く取り上げた作品を、総じて「際物」と呼びます。
物事の端・接近したところという意味の「際」の
「物語」という意味合いですね。

「際物」は、元々は歌舞伎の世界から生まれた言葉で、
今となっては江戸の頃の時代劇である演目であっても、
創られた当時、事件などが起こってすぐに劇化された作品であれば
「際物」ということになりますし、
また現在も、現代劇や映画などで同じように「際物」は創られています。

そして、一時的な流行を当て込んでいる、という見方が、
ある時期だけ売れる商品、というような意味合いで
広く一般にも使われる言葉になったのでしょうね。
近年は、「羽子板は正月だけの際物だから・・・」などと、
いささか否定的な意味合いに思われがちな言葉ですが、
言葉の元の意味を考えれば、
現在抱く印象ほど否定的な意味ではなさそうな感じですよね。

「際物」奥付

  • Posted : 2008年5月25日 15:41
  • Prev : « 立役・女形
  • Next : 外連 »
  • Category : 演劇 | 舞台・演劇用語 | シアターリーグ