「切り口上」(きりこうじょう)
改まった堅苦しい調子の話し方を「切り口上」と言いますよね。
この「切り口上」という言葉は、歌舞伎の世界から生まれた言葉です。
江戸時代の歌舞伎では上演が終わった後、
座長や楽屋の頭取が幕の前へ出て
「まず今日はこれぎり」と、挨拶をする習慣がありました。
(現在の歌舞伎でも、演目や公演形態によって行われる場合もあります。)
それは相撲の呼び出しのように、形式張った堅い言い回しでした。
終演後、つまり幕切れの後の口上(挨拶)で「これ切り」と言っていたことから、
「切り口上」と呼ばれるようになったわけです。
おそらく、そこから一般的にも使われるようになったのでしょうね。
ちょっと堅いなぁと思う「切り口上」のような言い回しでも、
実は感謝や御礼の気持ちが入っているということですね。