河原乞食

「河原乞食」(かわらこじき)

読んで字の如く、河原にいる乞食という意味で、
役者・俳優などの芸能人を卑しめていう言葉です。

役者は、芸能を披露して物(米銭)を乞うことから
「乞食」と侮蔑されていたのは、なんとなくわかりますよね。
では、なぜ「河原」なのでしょう?

1603年、出雲の阿国が京都の四条河原でかぶき踊りを始めました。
四条河原は、鴨川に架かる現在の四条大橋附近の鴨川原を指します。
これが四条河原で芝居を行うきっかけとなり、
後に四条大橋の東畔に芝居小屋も作られました。
また、この阿国のかぶき踊りが現在に至る歌舞伎の起源と言われており、
和製ミュージカル阿国」では、この辺りを主題にしています。

現在「河原」と言うと全ての川沿いの平地を指す言葉ですが、
当時、この四条河原の芝居が有名になったことから、
「河原」と言えば「四条河原」を指し表していました。

つまり、江戸時代に四条河原で興行を行っていた
歌舞伎役者を卑しめる意味で「河原乞食」という言葉が生まれたのですね。
また、「河原」=「四条河原」であったことからか、
単に「河原者」とも侮蔑していたようです。

江戸時代の士農工商制度では、商以下の身分、つまり非人だった歌舞伎俳優。
前述のように歌舞伎の起源は江戸初期と言われていますが、
披露される芸能のルーツは、もっと過去に遡り、
道端で行われていた大道芸だと言われています。
この大道芸については、個々にご紹介しますね。

「河原乞食」奥付

  • Posted : 2008年6月 8日 02:20
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