「滑舌」(かつぜつ)
滑る(すべる)ような舌(した)と書いて「滑舌」。
「滑」は「なめらか」とも読みますよね。
つまり「なめらかに、すべるように舌が回る」という意味で、
「滑舌が良い」「滑舌が悪い」という使い方をします。
また、噛まずになめらかに話せるようにする練習のことを「滑舌」という場合もあります。
「滑舌」という言葉は、元々は舞台・演劇界などの業界用語でしたが、
最近では広く一般的に使われる言葉になりましたよね。
近年は辞書にまで載るようになってきたようで、
正式な日本語として使っても問題なさそうな感じがします。
さて、この「滑舌」を良くするために、俳優は日々トレーニングを重ねています。
二代目市川團十郎の「外郎売(ういろううり)」や、
北原白秋の「あめんぼ」などの発声練習は有名かと思います。
他にも様々な人が発案した発声練習の方法はたくさんあり、
万人が薦める「これがいい」という練習法はありません。
もちろん、滑舌がよい俳優が=素晴らしい俳優かというと、一概にそうとも言えません。
しかし、日常では当たり前のようにある
「舌が回らない」「言葉を噛んでしまう」ということも、
芝居中は俳優の失敗というように見られてしまいますから、
特にやり直しのきかない舞台俳優は、滑舌をよくするための努力が欠かせないのです。
では最後に、滑舌のよさを必要とするであろう台詞を二つ紹介します。
「覚えて」「シチュエーションを考え」「文字を見ずに演技として」、
挑戦してみてください。
1:「署長、麻布署の捜査主任からお電話です」
2:「ネネ殿もネネ殿なら、ヨド殿もヨド殿だなぁ」
では本番はいります。
5・4・3・2・1・スタート!!
上記の台詞を一発でOKだったお若い方は、
人生の選択肢に俳優を加えることを考えてみてはいかがでしょうか?