「助成金」(じょせいきん)
「メセナ」
文化である演劇や舞台芸術には、様々な団体が様々な助成を行っています。
助成の種類や金額が最も大きいのは、やはり国(文化庁)が行うものです。
有名なのは、独立行政法人である芸術文化振興会の基金による助成で、
政府出資の約500億円と民間からの寄付約100億円を原資に運営されています。
他にも、文化庁が数種類の文化芸術に関する助成事業を行っていますし、
都道府県などの各地方自治体などでも、多くの地域で助成が行われています。
次に、セゾンや光文シエラザードなどで演劇ファンにもお馴染みの、公益法人による助成があります。
演劇に関わる助成を行っている団体の多くは「文化財団」という名称で、
企業などが寄付した財産を元に設立されています。
これが「メセナ活動」と呼ばれる、企業による芸術・文化を支援する活動です。
また、別途に公益法人を設立するまでは至らなくとも、企業による文化支援は数多く行われています。
例えば、企業名や商品名を頭に付けた「○○プレゼンツ」などの公演、
つまりスポンサーという形での、いわゆる冠公演もメセナ活動の1つです。
企業側は、メセナの助成認定制度を利用することで、助成した額を寄付金として損金処理ができるメリットがあり、
2007年度には10億円以上の寄付があって、200以上の団体が助成を受けています。
ちなみに「メセナ」という言葉は、フランス語の「mecenat」から来ています。
このように助成には様々な種類がありますが、いずれも援助してもらうお金で、
ましてや公の助成を受ければ税金を使うことになるわけです。
当然、助成を受けられるまでには厳格な審査がありますし、
また認めてもらってからも、出資してくれた方々の期待に応える
良質な舞台を創造することと、クリーンなお金の使い方が必須になりますね。