「花形」(はながた)
「花形役者」(はながたやくしゃ)
現在では、人気があり華やかなこと、
あるいは一座の代表といった意味で、一般にも使われている「花形」。
元々は歌舞伎の世界から生まれた言葉です。
昔は、歌舞伎俳優のうち演技の実力がある人を「実方(みがた)」、
人気があり華やかな人を「花方(はながた)」と呼んでいました。
男女の役を表す言葉「男方・女方」が
「男形・女形」と表記が替わったのと同じく、
「花方」も「花形」と表記が替わり、現在に至っています。
ですから「花形」は「花形役者」を省略したのが元々だと言えますが、
現在では「近代の花形産業」など、
人(役者)以外のものにも使うようになっていますね。
しかし、時流を得て一時世間にもてはやされる、という意味では同じで、
長い間花が咲き誇るのは難しいことがうかがえる言葉ですね。