「ハレーション」(halation)
「ハレーション」とは、強い光が当たった部分の周りが、白くぼやけることを意味する言葉です。
元々は写真の用語なのですが、テレビや映画の映像作品はもちろん、
舞台でも同じような現象が起こるので、同じように用いられています。
口語では、略して「ハレ」とも言うことも多いですね。
ハレーションは、光が何かに反射することによって起こる現象です。
結婚式などで、スピーチをする人に当てられている照明を想像していただくと
わかりやすいのではないかと思いますが、
強い光量のピンスポットが当てられた人は、顔がぼやけてしまいますよね。
これがハレーションです。
映画やテレビに出演する俳優はもちろん、
テレビに出るほとんどのタレントもメイクをしています。
それは、このハレーションを防ぐのも目的の一つです。
そして俳優のメイクは、当然役作りのためでもあるわけですが、
このハレーションまで計算してメイクができるかどうかも重要なポイントです。
例えば、元気そうだった人が場面が変わって顔色が悪くなるとします。
元気そうだったときは大勢の中にいるため普通の照明だけで、
顔色が悪くなった時にピンスポットが当てられるとすると、
「地塗り→悪い顔色→元気な顔色」という順番にメイクを重ね塗りしておけば、
ハレーションの影響で一番上の元気な顔色が飛び、
具合の悪そうな顔色がお客様の目に映るのです。
つまり、単に顔にメイクを施すだけではなく、
照明を計算に入れるということも大切になってくるわけですね。
そして、こうしたメイク効果をきちんと表すために、
本番前には「シュート」があるのです。