「派手」(はで)
彩りや行動などが華やかで、人の目につくことを、「派手」と言いますよね。
この「派手」という言葉は、邦楽の世界から生まれたという説が有力です。
三味線の弾き方には「本手」と「破手」という二つの演奏方法があります。
「本手」とは、基本の旋律や調子、または弾き方や弾く人のことで、
「破手」は、その型を崩した新しい感じで作られた曲や弾き方を指します。
この破手は、本手に比べて賑やかで遊び心を含んだものだったため、
やがてこの言葉が一般にも「目立つ」「異端だ」などといった意味で使われ始め、
現在の「派手」という言葉になっていったと言われています。
この語源が正しいければ、現在の漢字「派手」はまったくの当て字ということになります。
また、1706年に初演された近松門左衛門作の世話物の浄瑠璃
「心中二枚絵草紙」の中で「映える人」というような意味合いで「はで」が使われているため、
こちらが語源だという説もあります。