「下駄を預ける」(げたをあずける)
相手を信用し、物事の処理の方法や責任などを
相手にすっかりまかせることを指すこの言葉。
字面からなんとなく意味はわかりますが、なぜ下駄なのでしょうね。
実は、この「下駄を預ける」という比喩も演劇界から生まれたという説があります。
まだ靴という西洋の文化が流入していなかった江戸時代には、
芝居小屋や寄席、遊郭などに遊びに出かけると、
履き物を下足番に預け、裸足で入場していました。
当然、履き物を返してもらわなければ帰路につくことさえできませんので、
履き物=下駄を預けるというのは、相手に委ねるという意味となり、
この風習から生まれた比喩が、一般的に使われるようになったということです。
履き物は値打ちにかかわらず大切なもの。
信用してないと預けられませんよね。
芝居の興行を打つのは、今も昔も信用第一ということがわかりますね。
ただ、こういった言葉が一般的になる裏には、
信用を裏切る人たちがいたことも否めませんが・・・