「楽屋祝い」（がくやいわい）
「差し入れ」（さしいれ）
本番をむかえた俳優への「気持ち」として、
非出演者である知人やファンから劇場へ持ち込まれる
様々な形態の物（プレゼント）を指す言葉です。
「楽屋見舞い」とも言いますね。
私（岡本・男の俳優）の経験上ですが、トップ3は、菓子・花・酒だと思います。
女優に差し入れられる物では、果物というのも多いでしょうか。
その次に、間食用のおにぎりやサンドイッチ、
「○○のカレーパン」のような有名どころの商品も多いですね。
疲れを心配してなのか、栄養ドリンクもよく見られます。
珍しいところでは、卓上掃除機・国語辞書なんてのを見かけました。
「小綺麗にしろ・もっと勉強しろ」なんて意味かなぁと皆で苦笑しました。
さて、この楽屋裏に集められたお祝いの品々ですが、様々な運命を辿ります。
もちろん、ほとんどが劇場で食べてしまったり、持ち帰ったり、
打ち上げで食べたり・・・と消化されていくのですが、
中には小道具に使うなんてことも（お花・お菓子など）。
では「私流上手な楽屋祝い」をお伝えします。
1：基本は「チケットを買っていただいて観に来ていただく」
が一番嬉しいことなので、楽屋祝いはいらない。
2：楽屋祝いを持っていく際は、公演スケジュールを見て買っていく。
（例：賞味期限の短い食べ物などを差し入れる場合は、
2ステージある日の昼公演か、次の日が昼公演の夜公演に持っていく。
さらに、あらかじめ連絡を入れておくと喜ばれると思います。）
3：本人をびっくりさせる等の意図がない限り重い物・大きい物はさける。
差し入れでインスタントラーメン20食もらって喜ぶ人がいるほど、
普段は貧乏な人が多い舞台演劇の世界で、
唯一、食料過多になるのが本番中です（笑）
でも、例えばお菓子が好きな方ですと、
皆が同じお菓子を差し入れ、しばらく同じお菓子ばかりを食べることに・・・
なんてことも多々ありますので、
あまりに有名な嗜好品、特に日持ちしない食べ物は避けた方がいいかもしれませんね。
また、差し入れを持って行こうと考えるのは、
公演に招待してもらったときがほとんどだと思いますが、
その場合は一般に販売されているチケット代を
差し入れの値段の目安にすると良いと思います。
通常、楽屋祝いにお返しは用意していませんので、
あまり高価な物を差し入れると、かえって負担に思われてしまうことも。
公演を行っている側は、観てもらうことが一番嬉しいことですし、
招待の場合も、相手は観てもらいたいから招待したのでしょうから、
何か贈り物をと考えるより、
気持ちが伝わる程度の物を、という考え方でいいのではないかと思います。