「ドーラン」(Dohran)
「ドーラン」とは、演劇や映像の世界で用いられる化粧品の一種で、
油性の白粉(おしろい)のことです。
ドイツのDohran社製のものが有名で、一般に「ドーラン」と呼ばれますが、
舞台用ファンデーション、グリースペイントも同じ物を指します。
日本では、三善・カネボウ・スタインズ(steins)などの企業の商品が有名でしょうか。
舞台や、テレビなど映像の撮影では、非常にきつい照明を当てるため、
普通の化粧では色が飛んで、顔立ちがよくわからなくなってしまいます。
そこで、油製で光を吸収しないドーランを使うことで、
しっかりと顔が見えるようになるのです。
また、舞台では後方の席からでも顔がはっきりと見えるように、
下地として使うことで顔の輪郭をはっきりさせるという面や、
逆にテレビなど顔のアップが使われる場合は、
顔の凸凹や肌荒れなどを隠すという面もあります。
このように多くの役割を果たしているドーランですが、
油性のため皮膚呼吸ができなくなるので、一般的なメイクには向きません。
強引な裏技として「油製のメイク落としを下に塗ってからドーランを塗る」という方法もありますが、
いずれにせよ長時間ドーランを使っていると肌が荒れてしまうことが多いのでご注意くださいね。
なお、先述したように「ドーラン」は会社の名前になりますので、
「ファンデーション」「グリースペイント」などが商品を探すときの普通名詞(検索ワード)になります。
ただ、「ファンデーション」はあまりに種類が豊富ですので、
演劇などで用いる場合は「舞台用」「ステージ」と組み合わせ、
「ステージ ファンデーション」等のように探すと良いかと思います。
また、いわゆるドーランにも普通の固形タイプ以外に、
スティックタイプやリキッドタイプなど、いくつかの種類が存在します。
お肌に合う・合わないがあるのはもちろん、
それぞれ微妙に用途や向き不向きがあったりしますので、ご注意ください。