道具幕

「道具幕」(どうぐまく)
「ドロップ」(drop)

「道具幕」とは、背景描写された幕の総称です。
文字通り道具(大道具)として使用する幕のことで、
浅葱幕(あさぎまく=空色の幕のこと)や黒幕などが頻繁に使われますが、
他にも山や波、雲を書いた幕など、数多くの種類があります。

「道具幕」は、例えば浅葱幕は昼間や屋外、黒幕は夜や暗闇など、
歌舞伎の印象(約束事)としての使われ方が広まり、
現在では歌舞伎以外の舞台演劇でも用いられるようになっています。
これら道具幕は、背景であっても「幕」ですから、パネルに背景を書いた「書き割り」と違い、
アップダウンや振り落としといった方法で早い転換ができるため、
スピードを重視した演出の作品に多く用いられます。

また、同じように背景が描かれた幕に「ドロップ」(ドロップ幕)と呼ばれるものがあります。
こちらは映画の世界からきたもので、
舞台演劇の背景より、リアルで写真のような絵が描かれている物を指して用いることが多いようです。
映画で使われるようなドロップが舞台で使われることもありますが、
値段が高い上、大きくて重い物が多いため、
管理も大変なのであまりお目にかかることはありません。
ちなみに、英語で「drop」(drop curtain)と言うと、
舞台前の緞帳や垂れ幕のことを指しますのでご注意を。

これらの背景として使う幕は、布で出来ているので幕と呼ばれますが、
大道具・小道具と同じで、異なる作品で使い回すことが難しいものです。
しかし、ネット上では中古の販売やレンタルなども見かけますので
上演の際は探してみると良いかもしれませんね。

舞台製作/大道具・小道具・衣装
舞台製作/音響・照明

「道具幕」奥付

  • Posted : 2009年2月21日 01:50
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