「出ハケ」(ではけ)
舞台に登場することを「出る」、
舞台から退場することを「はける」(捌ける)と言い、
2つを合わせて「出ハケ」と言います。
言い換えると「入退場」といった感じでしょうか。
「出ハケ」と言うと、まず俳優のことを思い浮かべられるかと思いますが、
この言葉は道具に対しても用いられます。
例えば、このシーンでは誰々が捌けて、誰々が出る、
あの道具が捌けて、この道具が出る、といったようなことで、
「出ハケ」は、舞台の進行上最も重要な部分と言っても過言ではありません。
この、俳優の出ハケを一覧表にしたものを「香盤」(香盤表)、
出ハケなどの練習をすることを「場当たり」と言います。
このように、出ハケに関してはミスがないよう十分に注意されていますが、
出番なのに出なかったり、早く出過ぎたりといった「出る」失敗のことを
「出トチ」(出トチリ)と言います。
役者のミスとしては、台詞を噛んだり、忘れたりという部分が目立ちますが、
出ハケを間違えると、物語の進行自体がままならなくなることさえあり、
役者にとって、最もしてはならないミスの1つと言えます。
同様に、あるべき道具がなかったりするのも致命的な場合がありますので、
舞台を上演する場合、出ハケの確認・練習は非常に重要なことなのです。