「キューランプ」(cue lamp)
キュー(CUE)とは「きっかけ」「合図」という意味の言葉で、
日本では「3・2・1・キュー」などと、本番開始のときなどに使われています。
この「キュー」を光で伝えるのが「キューランプ」です。
大概は、小さな豆電球をただ付けたり消したりするだけの簡単な物ですが、
舞台の進行を左右するものですから、とても重要な役割を担っています。
基本的な使い方としては、
「きっかけ」が来る数分前にその明かりを点けておき、
明かりが消えることが「キュー」のサインとなります。
きっかけで「点く」のではなく「消す」という所がポイントです。
当然、事前にチェックやリハーサルはしておくのですが、
何が起こるか解らないのが、機械であり人間です。
装置が壊れるかもしれないし、
キューを出す人が寝ちゃっているかも・・・
きっかけのときに点灯させると、問題が起こっていたらアウトですが、
事前に点いているものを消すことで、万が一を防げるというわけです。
昔、電気もない頃のお芝居では、
紐を使って「きっかけ」を伝えていたそうです。
紐の両端をそれぞれが持って、ピンと張った状態できっかけを待ち、
その時が来たらグイッと引きます。
ここでもオンをオフにすることで「きっかけ」としているのは、
人為的なミスが起こらないようにするためのアイデアなのでしょうね。