「鎮」(しず)
別欄で「綱元」(つなもと)という
舞台袖の奥にあるバトンを昇降させる為の
ロープが集まった場所を指す用語をお伝えしましたが、
そのロープの平衡を保つための錘(おもり)のことを「鎮」と呼びます。
「鎮」という字は、「文鎮(ぶんちん)」「鎮圧(ちんあつ)」など
「ちん」と読むことが多い言葉ですが、
「おもし」という意味の場合は「しず(しづ)」と読みます。
英語では「Counterweight」(カウンターウェイト)と言い、
この言葉の方が、舞台以外の様々なところで使われるため、
一般には通りがいいかもしれません。
舞台で使う「鎮」とは、平均をとるための重り(平衡錘)のことで、
ほとんどが金属で作られており、
5kgか10kgでブロック塀のような形の物が多くなっています。
「鎮」は、綱元で、しかも足元に置かれていることがほとんどなので、
舞台に出演している俳優でも目に入ることが少ないかもしれませんが、
その重みで舞台を裏から支えているのです。
正に舞台の「重鎮」と言える存在なのですね。