「クラウン」(clown)
「クラウン」というよりは「ピエロ」という方がピンときて、
白塗り・赤い鼻・変わった帽子・しゃべらないetc...
このようなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は「ピエロ」は役名の一つで、
道化師の総称は「クラウン」と呼ぶのが正解なのです。
「クラウン」(clown)は、英語で「道化」「おどけ者」といった意味を表す名詞で、
元々「のろまな田舎者」といった意味の言葉でした。
ヨーロッパでの歴史は古く、中世の王侯貴族の宮殿にて、
笑いをもたらす存在として召し抱えられたのがルーツだと言われています。
一方の「ピエロ」(Pierrot)はフランス語で、
イタリアの即興喜劇「コメディア・デラルテ(Commedia dell'arte)」の中に出てくる
滑稽な召使い役ペドロリーノ(pedrolino)が元という説が有力と言われています。
この即興喜劇がフランスに伝わり、
ペドロリーノの名前も、フランスで一般的なピエールへと変わり、
やがて現在のピエロで定着していきます。
またこの時の白塗りでとぼけた芸風が、現在のピエロの原型です。
このように、道化師を表すには本来「クラウン」が適切なのですが
日本においては「ピエロ」の方が一般的なのは、
明治時代に入ってきたサーカスの影響が大きいと言われています。
客席の期待を一身に受け、笑いを生み出すピエロは人気者ですし、
日本ではサーカスの代名詞的な存在ですものね。