「シーリングライト」(Ceiling Light)
「フロントライト」(Front Light)
舞台照明では、ボーダー・ライト、サスペンション・ライトなど、舞台上部からのライトは良く知られていると思いますが、
舞台では舞台の横、下、客席側など、あらゆる方向からライトが当てられています。
ここでは、客席側から照射する主な照明をご紹介します。
まず、客席の天井に設置されており、舞台正面から照らす照明を「シーリングライト」(Ceiling Light)と言います。
「シーリング」(Ceiling)とは英語で天井のことで、「シーリングライト」とは、天井に直接取り付ける照明のことです。
照明図などで略するときは「シーリング」「CL」などと呼称されます。
日本語では「天井灯」と言われ、家庭では非常に一般的な照明ですね。
舞台における「シーリングライト」は、舞台面の斜め上から照らす役割を果たしています。
舞台上からの照明だけでは陰ができるなど客席から見づらくなってしまうので、
客席側からも照明を当て、役者の顔や表情などを見やすいように工夫されているのです。
また、客席の両サイドには「フロントライト」(Front Light)があります。
これは、客席から舞台を観て斜め上から舞台を照らすもので、
シーリングライトと並んで客席側からの照明、いわゆる「前明り」(前サス)を代表する、欠かせない存在です。
略するときは、「フロント」「FR」などと呼称されます。
そして、主に演出のために用いられる照明に「ピンスポットライト」(PIN Spot Light)があります。
スポットライトとは、光を集め、細くビーム状に放射する照明のことで、
観客席側に設置されるピンスポットライトは、多くの場合、客席の後方上部に設置されている光量が大きい照明です。
役者を直接照射するライトで、音楽ライブでは色をつけて用いられることも多いですよね。
ピンスポットライトは劇場によっては専用の部屋が設けられていることもあり、専属のオペレーターが担当するケースも多いライトです。