鼻濁音

「鼻濁音」(びだくおん)

鼻濁音とは、鼻にかかった声で発音する濁音のことです。
一般的には、言葉の最初に来ない「がぎぐげご」のガ行5音(ガ行鼻濁音)を指すことが多く、
大まかに言うと、これらを「んが」「んぎ」「んぐ」といったように発音することで、
例えば「私が」などの助詞の「が」は、
鼻濁音で「わたしんが」といった感じで発音すべき言葉となります。

自分が使っているのが鼻濁音なのか、それともただの濁音なのかを見分けるには、
例えば「演劇」「漫画」と発声してみるとわかると思います。
「えんげき」は「んげ」、「まんが」は「んが」と続いているため、
多くの人が自然に鼻濁音になっているはずです。
この「げ」や「が」が、「映画」などのように前に「ん」がつかない「が」が付く言葉と違う発音であれば、
普段は鼻濁音を使っていないということになります。

鼻濁音を使っているか否かを調べる方法に、
鼻をつまんで「がぎぐげご」と言ってみるという方法もあります。
発声してみて、鼻にかかってこもった声になってしまう人は鼻濁音、
つまんでも影響なく破裂音のように発声できる人は鼻濁音ではありません。

鼻濁音は、おおよそ関東以北で使われる発音方法で、
日本標準語で用いるべき発音方法だと言われています。
ですから、俳優やアナウンサーは習得しておくべき発音方法で、
養成所などの発声・発音の練習では欠かせないものの1つでした。
しかし現在は、鼻濁音ができていない俳優やアナウンサーも多くなっていますし、
世間的にも気にかける人は少なくなってきたような印象があります。

とはいえ、わかる人にはわかるものですし、
芝居を演じる俳優にとっては、物語の舞台となる土地や時代背景によって必要になってきますから、
発声法や滑舌などと共に、やはり早いうちに習得しておくべきものではないかと思います。

「鼻濁音」奥付

  • Posted : 2009年9月10日 02:46
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