ばみる・ばみり

「ばみる」(バミる)
「ばみり」(バミり)

舞台上や稽古場、スタジオなどには、
床面や壁面などあらゆるところに、様々なテープが貼られています。
これは、本番中の俳優の立ち位置や、道具の置き場所をあらかじめ決め、
俳優のスタンバイや道具の転換をスムーズに行うために貼られたテープです。
そして、このあらかじめ立ち位置などを決める行為を「ばみる」、
そこに貼られたテープのことを「ばみり」と呼びます。

「ばみる」とは「場(を)見る」という、
演出サイドからの(全体を見て位置を決めるため)語源と言われています。
そして、そこから派生して「ばみり」という言葉が生まれたそうです。

「ばみり」は、俳優や道具の登場時、立ち位置や置き位置などを示すだけでなく、
逆にハケるとき、どこまでお客様に見えているか、という目印にも用いられます。
例えば、退場した俳優がまだお客様に見えているのに、気を緩ませて素に戻ってしまう・・・
などということのないように使われるわけです。

「ばみり」には、主にビニールテープを使用しますが、
暗転中にも必要な場合には、蓄光テープが用いられることもあります。
この蓄光テープは、舞台上の壁面にもよく貼られています。
暗闇で、俳優が道具にぶつからないための目印となるわけです。

公演が行われる現場では、この「ばみり」には細心の注意が払われます。
特に、お客様が気にならないように(見えないように)という点が最も重要です。
客席からは見えないくらい小さくしたり、舞台面と同系色にしたり、
足先で感じられるほどの凹凸を舞台面に作っておいたり・・・
と、様々な工夫が凝らされているのです。

舞台上や舞台裏に行く機会がありましたら、
「ばみり」を探してみてはいかがでしょうか?
事細かに計算された裏付けと努力があるからこそ、
舞台での感動が生まれるのだということを、実感されると思いますよ。

「ばみる・ばみり」奥付

  • Posted : 2008年12月 7日 18:36
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