「馬脚をあらわす」
隠していたことがバレてしまうことを「馬脚をあらわす」と言いますよね。
このことわざも、芝居の世界から生まれたものです。
この「馬脚」とは、本物の馬の脚のことではなく、
芝居の中で馬の脚を演じる役者のことを指しています。
馬は四本脚ですから、前脚と後脚を二人の役者がそれぞれ担当して演じることがあるのですが、
この脚役の役者が芝居中に何らかの理由でトチってしまい、
姿を見せてしまうことを「馬脚をあらわす」と言い、
やがて一般的にも、隠しておいたことが明らかになってしまう意味で使われるようになったのです。
ですから「しっぽを出す」「化けの皮がはがれる」ということわざと、
意味はもちろん、比喩の語源も似たような感じの言葉と言えますね。
ちなみに、このことわざを漢字で書くと「馬脚を露す」。
「脚が現れる」で「馬脚を現す」と書きたくなるところですが、
役者の姿が露(あらわ)になるというのが、この言葉の意味ですので、
「馬脚を露わす」が正解となります。