芸術監督

「芸術監督」(Artistic Director)

芸術監督とは、劇場や劇団、芸術に関する祭典など、
組織が運営される場合における、芸術の面での責任者を意味します。

芸術監督は、日本ではあまり馴染みのない制度でしたが、
1980年代頃から芸術監督を置く劇場などが少しずつ増えてきています。
最近では、彩の国さいたま劇場の蜷川幸雄、東京芸術劇場の野田秀樹などは
一般にもよく知られているのではないでしょうか。

劇場における芸術監督は、上演する演目を選定し、
どんな特色を持った劇場にするのか、といった辺りが重要な仕事となります。
つまり、劇場を演出するような役割であるため、
演出家や振付師が芸術監督に就任するケースが多くなっています。

また、日本ではまだあまり多くないものの、ヨーロッパの劇場では、
劇場の芸術面を演出するだけでなく、予算や人事などについても責任者となる、
つまりプロデューサー的な役割をも担う芸術監督も数多く存在します。
しかし、興行成績と作品の質というのは比例しないことも多く、
また日本では芸術監督の歴史も浅いため、
そもそも芸術監督の役割、存在意義は何なのかといった辺りも曖昧であり、
2008年には新国立劇場の芸術監督の人事問題なども生まれてしまっています。
今後も様々な問題や議論が巻き起こり、それが煮詰められることによって、
日本における芸術監督というものも、定まっていくのかもしれません。

「芸術監督」奥付

  • Posted : 2010年4月22日 19:24
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