「エプロン」(apron)
「エプロン・ステージ」(apron stage)
「張り出し舞台」とほとんど同意語なのですが、
ミュージカルやオペラ・バレエなど、主に洋物に対応した劇場では、
緞帳よりも前にある舞台を「エプロン」と呼びます。
舞台の一部が客席に突き出した形が多い張り出し舞台に比べ、
エプロンは弓状・楕円形のものが多いのが特徴です。
元々は「(俳優たちにとって)自分たちの前にある」という感覚と、
その形状が台所仕事などのときに使う前掛けに似ていることから、
「エプロン」と呼ばれだしたそうです。
エプロンは、緞帳が降りていても芝居が続けられるという点と(緞前芝居)
オーケストラピットを隠せるという点で、
様々な演出効果を生み出せるという利点があります。
では「前舞台・エプロン・張り出し舞台」の日本での違いは?と言うと
現在では具体的な定義はなく、かなり混同して使われています。
元々、演劇・オペラなど、発祥や劇場の違いから来ているので、
その辺りから言葉の使い分けがあるのかもしれません。
ちなみに英語では、エプロンは「apron stage」、
舞台前は「down stage」、反対語になる舞台奥は「up stage」
張り出し舞台は「thrust stage」、細長く張り出したものは「cat walk」
と、それぞれ言葉が存在します。