煽る

「煽る」(あおる)

「そそのかす」「扇動する」という意味のこの言葉。
演劇の世界においては、日常と違う使われ方もしているのでご紹介します。

主に歌舞伎の劇場で、劇場の木戸の前で扇を開き、
お客様を呼び招くことを「煽り」と言います。
チケット制の近年はあまり見かけませんが、
要は通行人を煽ってお客様にする呼び込みですね。

大道具においては、蝶番で2つの張り物などをくっつけておき、
それを折り返して場面や背景を変えることを「煽り返し」と言います。
実際の現場でも、パネル等の傾きを変える時に、
「もうちょっと煽って」等の使い方をしますし、
照明でも、明かりの当たる位置を上向きにして欲しい時に使います。

また、演技指導においても使われます。
演出家によって微妙な意味は違うかと思いますが、
「もうちょっと煽って」と言われたら、
「もうちょっと躍動感を持って」という感じの意味合いになります。
自分が言われているのか、絡む相手を煽る演技をすればいいのか、
きちんと把握できていないと、焦ってしまいそうな言葉ですね。

「煽る」奥付

  • Posted : 2008年5月26日 02:42
  • Prev : « 挨拶
  • Next : 揚幕 »
  • Category : 公演 | 舞台・演劇用語 | シアターリーグ